2008年9月8日月曜日

Operation 2

手術当日。予約時間は11時。全身麻酔のため数時間前からすべての食事が禁止になる。わたしたちが心配したのはこの全身麻酔だ。ユウちゃんはまだ2歳にもなっていない。医者や看護婦、麻酔担当の医者たちはやたらと「薬に対するアレルギーはないか」と聞くが、まだ痛み止めの薬くらいしか飲んだことがない。だから薬に対するアレルギーがあるかなんて分からない。もし麻酔でなにかあったら・・・とそれだけが心配だった。それと実際の手術の時間だ。どこでも待たされて当たり前の病院。特にNZの病院はどうなるのだろうと心配だった。

ユウちゃんのように手術を待つ外来患者が待機する部屋にいたので私たち以外に常に2~3人の患者とその家族が居た。自然とお互いの子どもの病状などを話すようになった。そうした会話で時間を紛らわしながらお互い長い待ち時間をひたすら待った。

時計を見るともう午後3時半。さすがに私は今まで何の連絡もなくただ待されるこの状況に少し疲れていたし、水さえも飲めなくて泣き叫ぶユウちゃんが可哀想で・・・何で手術がこんなに遅れているのか聞く権利くらいはあると思い、ナースステイションへ出かけた所、「ユウトよく頑張ったわね。今手術の準備が出来たと電話があったわ!ハレ~イ!」と喜んでくれた看護婦に何も言えなかった。

結局手術の時間は午後4時を少し過ぎていた。予定より5時間遅れの手術だった。麻酔室にはオットに立ち会ってもらい、私は病室でハーちゃんと待った。手術は30~40分くらい。手術が始まってからは私たちは手術室の側にある待合室で終わるのを待った。しばらくして子どもの泣き声が何処からか聞こえた。オットが「ユウちゃんじゃないかな~」と言って待合室を出た時、そこに電話が掛かった。「ユウトのお母さんですか?手術が終わったのでリカバリー室へ来てください。」と言われ急いで行った。手術後、リカバリー室で初めてユウちゃんに会った時は涙が出そうだった。看護婦さんが「声を掛けてあげてください」と言う。まだ意識が朦朧としているユウちゃんに声を必死に掛ける。まだ麻酔が完全に切れていないので自分の体を支える力がないようで朦朧とした中で泣き叫び動き回るユウちゃんをオットが必死になって支えていた。誰が悪いわけでもないが「ごめんね。ユウちゃん。もう終わったからね。」と私はひとり心の中で言た。しばらくして麻酔から覚めたユウちゃんは爆発したようにミルクを何杯も飲んだ。はっきりは覚えていないが200ミリリットルのボトルを3本飲んだと思う。看護婦には「食事もした方がいいからミルクはこれ位にした方が良い」と止められた。元の病室に戻って来てからはお腹もいっぱいになり、安心したこともあるのだろ死んだように眠り始めた。担当の看護婦が代わり夜間勤務の小児科医がやって来てユウちゃんの手術後の経過をチェックして今晩もう1泊したほうが良いと言う。その晩、私はユウちゃんに付き添って病室に泊まった。

翌朝6時ごろに目覚めたユウちゃんは昨日のユウちゃんと違ってめちゃめちゃ元気だった。病室を歩き回り、ナース・ステーションに遊びに行って看護婦達に可愛がってもらっていた。彼のそのようすを見て私は本当に安心した。今朝の担当の看護婦と小児科医から今後のことを話されて、傷口の手当てをしてもらって、最後のメヂカル・チェックを受けてやっと病院を出れたのが午前11時ごろだった。大きな手術ではなかったが病院で過ごした長い時間に本当に疲れました。病院から出て外の空気を体いっぱいに吸ったとき大きな開放感に包まれた。なにより青空が本当に綺麗だと思った。そして、改めて健康であることの大切さと元気であることに感謝しなくてはと思った。

病院でお世話になった看護婦・小児科医・ヘルパーさんたち、そこで出会った患者(こどもたち)とその家族のみなさんにも感謝します。みんな経過が良いといいのにな。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

大丈夫でしたか?
取りあえずは無事に手術が終わったのでホッとしました。しかし耳の側に穴があいている。。。聞いたことがなかったので??でした。
この文章を読んで、母であるpukekoさんの気持ちとかがじわじわ伝わりました。私には未知なる世界ですが、すごいステキな感覚ですね。

健康第一。
pukeko家族がみんな健康でありますように!!
romi

keiko さんのコメント...

手術大変でしたね。
NZ時間で手術されたら待ってる方は心臓バクバクやね。
日本ではそんなことありえないし、聞いてるだけで冷や冷やしました。
しかも全身麻酔って…
麻酔の副作用とかはよく分からないけど、なんか怖いやんっ!
うちの子供たちも簡単な(薬を飲んで眠たくさせるやつ)全身麻酔したことがあるんだけど、眠った状態を見るのが何より怖いねん!
ぐったりとした姿を見て、私が悪いわけじゃないねんけどすごく申し訳ない気持ちになって、「ごめんね~」って涙が出た記憶がある。

耳の横に穴が開いている人は今までに何人か会ったことがあります。
知り合いの子供さんや、大学時代の友人とか…。
知り合いの子供さんで耳に穴があいてるっていうケースでは、当時その子は小学生で、膿がたまるかもしれないから心配って、お母さんがすごく気にしてた。
で、本人に穴があいてるっていう子にもその穴の事を聞いたことがあるんだけど、「別に~。何もなったことないよ~。ただ穴があいてるだけ。」ってな感じだった。
人によるんかなぁ?

まぁでも、無事に手術が終わってよかったよね~~!!
ママもお疲れ様でした。