いやいや獲物を狙う人間の姿って勇ましいものですね。
小さい子どもにもそんな本能が備わっているんですね。
先週の週末、ふらっと立ち寄った午前中のビーチ。
潮がとっても引いていて
しおだまり(rock pool)がたくさんできていました。
はあちゃんとゆうちゃんと3人で思い思いに遊んでいると・・・
「かあちゃん、
タコがおる!」と叫ぶはあちゃん。
「えっ!タコ!」と半信半疑ではあちゃんの指差す方へ行ってみると
本当にタコが水面からこっちを見てる!
「いや~ほんまやね。」とのんきに言ってるわたしに
「かあちゃん、採りたい!食べようや!」と真剣に言うはあちゃん。
「え~!でもバケツもないし網もないで」と言うと「取りに帰ろうや」と
ここから家まで車で10分。戻ってきて20分。
「タコがもうおらへんかもしれへんけどいいの?」と確認すると「いいから」と言うので
早速、駆け足で車に乗り込み家へ。
その途中、助手席で「we want to get it!」と呪文のように何度もつぶやくはあちゃん。
かあちゃんはなんとか間に合いますようにと心で願っておりました。
家に帰って
バケツとつり用の網となぜかかあちゃんは
カメラ(カメラマン根性がだんたん身についてきましたよ!)を持ってビーチへ戻っていきました。
戻ってきてみるとやっぱり元居た場所にはタコは居らずちょっとがっかりしていると数メートル離れたところから観光客のおばさまたちが「いや~、タコがいるわよ。それも魚たべてるみたいよ」って話しているのが聞こえた。「えっ!どこ」とはあちゃんは貪欲にタコを追っかけていく。確かにはあちゃんの膝丈くらいの深さの岩に隠れて魚らしきものを食べていました。はあちゃんは目の色を変えて岩の後ろへ回ってゆっくりと海へ入ってタコの後ろから網を入れて
猛烈にアタック!タコをすくい上げようと何度も挑戦していました。
その真剣な目は獲物を狙う戦士でした!手助けしようかどうしようか迷っていた私でしたが採れても採れなくてもどっちでも良い。はあちゃんがしたいようにすれば良いと思ったし、と同時に手助けする隙間もないほど彼は真剣にひとりで立ち向かっていました。その後ろでおばちゃまたちが「怖くないの?」「タコって毒もってないの?」「勇敢ね!」「採ったら食べるの」と話しかけてきて・・・・聞こえていたけど私ただ、はあちゃんの真剣な姿に見とれていました
終にやったよ!はあちゃん!まさにタコをすくい上げたその瞬間です!
ビーチでは黄色い声援を送るおばちゃまたちとこどもたちに囲まれて、一仕事を終えたはあちゃんはただ黙ってひとりで格闘した余韻に浸っていました。勇ましいはあちゃんの横でおばちゃまたちとタコをどうやって食べるかなどの話をしながら私は、「これどうやってもって帰ろう?」かと少し不安になっていました。
8本足のタコ。見てるとバケツの中で大暴れしてるし、何度押し込んでも次から次へと足がバケツから出てくる・・・・!!!!
ビーチで親子3人で大暴れするタコと今度は格闘しましたよ!
「ゆうちゃん、そっち持って!」「はあちゃん、そっちの足を入れてよ!」と・・・
いつまで経っても問題解決にならない。そこでかあちゃん考えた!何かの時のためにいつも車に入っているレジ袋でバケツをふさいで、よっこらしょっとバケツを反対にしてタコをレジ袋にすぽっと入れた!
「入った!入った!」と大喜びのふたり。タコがレジ袋に入ったことがこんなに嬉しいとは思いませんでした。最後の格闘を終えて・・・
はあちゃんは、興奮が冷める前に一番の釣り仲間であるとうとう(オット)にやっぱり1番に報告したい。と言い出したので仕事場へ。
何度かの挑戦と格闘の末に130cmもの大物のタコをひとりで捕らえたはあちゃんとタコの足を持ってだい興奮していたゆうちゃん。
オットはものすごく嬉しかったようす。釣り仲間としてのはあちゃん、そして何よりひとりで採り上げたという事実と志に!
さてさて、これを残酷と思うか思わないかと言う話になりますが・・・
仕事場のすぐ傍に暮らすオットの仕事仲間の娘さん(12歳)がタコの様子を見に来たときに「かわいそう。食べるの?」とつぶやいた。
私たち人間はこうやって命ある生き物を食べて生きている。当たり前のことだし、それが事実。でも、毎日の食卓にあがるチキン、ビーフやさかなが何処から来たのか?どんな過程を経て今の姿になったのかを知っている子ども、大人さえも少ない現代。
命ある生き物を食べて私たちは生きていられる。だから「いただきます!」と言う感謝の気持ちと食べものを粗末にしない気持ちを大切に。
ちなみに、このタコはオットの手で美味しい大阪名物「タコ焼き」となり、美味しく全ていただきました。
ごちそうさまでした!そして、この日の最後にはあちゃんが「I love Kaikoura」と締めくくりました。